董事長メッセジー
「人類は迫っている石油資源の枯渇に直面します。この課題に対応する手段として、電気自動車は最も有力な解決策です。電気自動車用バッテリーの製造技術を確立し、低コストでの生産体制と管理を整えることができれば、明るく希望に満ちた未来が開けます。」これは、我が父であり、台湾プラスチックグループの創立者である王永慶が1998年に語ったものです。その言葉に鼓舞されて、私は「フォルモサ・スマート・エナジー」を設立することだ。父の精神を受け継ぎ、より良い社会を目指して、人々が幸せに暮らせるように日々努力しています。
台湾プラスチックグループは1996年から米国のバッテリー企業への投資を開始し、そこで得た技術を台湾に持ち帰り、「台朔汽車(フォルモサ・オートモービル)」を設立して、電気自動車の研究・開発に力を入れていました。これは非常に先見性のある取り組みでした。当初導入されたニッケル水素電池は、自動車用バッテリー技術の面でなかなか突破できませんでしたが、台湾プラスチックグループはバッテリーの研究・開発をあきらめることなく続けました。2008年に「台塑鋰鉄(フォルモサ・リチウム・アイロン・オキシド)」を設立し、リチウム鉄電池や正極材料の研究・開発をさらに進めることで、良好かつ強固な基盤を築きました。
2010年、台湾プラスチックグループのバッテリー事業展開を拡大するために、台塑生医にバッテリープロジェクトチームを設立しました。当時はまだ鉛蓄電池が主流でしたが、消費電力が高く寿命が短い上に、環境にも悪影響を与えていたため、一刻も早く代替品を見つける必要がありました。綿密な分析を経て、「安全性」「環境への配慮」「持続可能性」を三本柱として、リチウム鉄電池の開発方針を定めました。今日に至るまでの長年の努力の結果、リチウム鉄電池は世界市場で中心的な存在となり、私たちが歩んできた道が正しかったことを示しています。
リチウム鉄電池から得られた成果は、私たちの前進の原動力になっています。近年、地球温暖化の影響により、世界各地で猛暑、大規模な森林火災、豪雨、干ばつなどの極端な気象現象が次々と発生しています。気候変動の影響を抑え、環境保護と経済発展の調和を保つため、二酸化炭素削減は世界が一丸となって取り組む課題とされています。そして、二酸化炭素削減の実現における最も重要な鍵は新エネルギーだといえます。そのため、私は2022年にフォルモサ・スマート・エナジーを設立し、リチウム鉄電池を基盤に、新エネルギー開発を本格的に推進することを決意しました。
そのため、フォルモサ・スマート・エナジーは、「省エネルギー」「エネルギー貯蔵」「新エネルギー」「リサイクル」の4つを軸に、将来を見据えた開発方針を打ち立てました。各地にエネルギー貯蔵拠点を拡充し、台湾最大のリン酸鉄リチウム電池セル工場を建設しました。家庭用蓄電ソリューションを通じて、スマートエネルギー住宅の構築を推進しながら、退役バッテリーのリサイクルシステムも整備し、微細藻類を活用したCO2回収技術の研究を深化させ、全固体電池や電気自動車分野での応用をはじめとする新エネルギー・クリーン技術の研究開発に取り組んでいます。
カーボン削減という重責に応えるべく、フォルモサ・スマート・エナジーは、日々最善を追求し、目標達成に向けて努力を続けています。「勤勉・実直・持続可能な事業運営・社会への還元」という台湾プラスチックの理念を大切にし、一歩一歩着実に進み、よりクリーンな地球環境と、より持続可能な人類生活のために尽力してまいります。